水軒堤防発掘調査


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現地説明会資料(PDFファイル)

センター情報誌 風車(PDFファイル)13号14号

 平成17年5〜6月に和歌山市西浜において、道路拡幅工事に伴う県指定史跡水軒堤防の発掘調査を実施しました。
 調査の結果、西側(海側)の石積みは砂岩(和泉砂岩)を積んで、東側(陸側)の石積みは砂岩と結晶片岩(青石・緑泥片岩)を交互に積んで構築された江戸時代の堤防を検出することができました。特に、石積み西側では、丁寧に加工された砂岩の石材を精緻に積み上げて構築されている状況を確認することができました。

            
                           西側(海側)

            
                          東側(陸側)


水軒堤防とは?
 昭和三四年に県の史跡に指定された防潮・防波堤防で、南北を流れる水軒川と和歌山南港(旧水軒浜)との間の砂州上に築かれています。
 昭和前半の記録によると、
 初代紀州藩主徳川頼宣の時代、朝比奈段右衛門(隠居名水軒)が寛永年間(一六二四〜一六四四年)に約一三年かけて築造したもので、防波堤の高さは三〜六間(五.四〜十.八m)・全長は九〇〇余間(一.六二km)で、表築石は和歌山城改修の和泉砂岩、裏築石は雑賀崎石を使用していると記されています。

            
                          水軒堤防(遠景)

発掘調査で見つかったものは、
 現在は砂で覆われていますが、掘り進めると石積みの堤防が出現しました。石積み上面は標高約三.七mで、そこから三mの深さまで検出しましたが、さらに石積みは下に続いています。時期を示す遺物は出土していませんが、石積みの特徴から江戸時代に築造されたと考えています。 
石積み西側(海側)の特徴は、
 側面をきれいに加工した砂岩の切石によって隙間がないくらいに精緻に積まれており、「布積み」と呼ばれる水平に石の目地が通る積み方をしています。
石積み東側(陸側)の特徴は、
 最上段に砂岩を一列、中央部横方向に砂岩を二列積んで、中央部砂岩列より上方と下方は結晶片岩を積んで構築しています。東側の砂岩は、西側に比べて加工が粗い石材を使用しています。石積みより東側の土層は黄褐色粘土層を含んだ人工的な堆積で、堤防東側は盛土によって構築されていたことがわかりました。
石積み上面の特徴は、
 西側より大ぶりの砂岩の切石が用いられています。一部に石材を切り出す際に施された矢穴がみられます。

調査場所          和歌山市西浜地内
調査期間(契約期間)   平成17年4月13日〜7月30日
調査原因           和歌山下津港港湾改良工事

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